- ●トータルヒューマンケアの構築をめざして
20世紀、人類は科学技術の飛躍的な進歩を実現し、「豊かさ」を求めて経済活動を急速に拡大させていく一方で、自然との関係においても、人間同士の関係においても、また、個人の内部においても、さまざまなひずみを抱えることになりました。そして、平均寿命が延びていく中、心身ともに健康に過ごすことができる、いわゆる「健康寿命」の重要性が指摘され、「Quality
of Life の向上と維持」が個人、そして社会にとって大きな課題となってきています。これからの社会では人々の心身の健康について広い視野から考え、ヒューマンケアの立場から現場で活躍できる人材がますます求められるでしょう。
本専攻では,これまでに360ラ翩アネキヨ,ラ翩アネキヨ90vsにおける専門的な知識を踏まえ,哲学・思想,教育学,生涯学習,認知・発達・臨床など諸心理学,音楽,体育とスポーツの科学等の研究を通し,人間と人間の諸行動について,より高度な教育と研究を行ってきました。この中で培ってきたものを、これからの社会に提案し、実践的に活かすために、私たちは今回採択された「女性の高度な職業的能力を開発する実践的教育」のプログラムに参加します。このプログラムでは、まず、「心身の健康」「教育」「発達」をキーワードに、本専攻が対象とする"人間"あるいは"ヒト"のライフコースにおける諸問題について総合的に考え、それらを分析するための測定法や、評価するための様々なスキルの理論を身につけます。そしてさらに、社会のいろいろなニーズに合わせてそれらを応用し、実践する能力を養成していきます。
本専攻のプログラムによって、新しい社会と文化を構想し実現できる創造的で実践的な力を身につけた修了生を社会に送り出すことで、真に豊かで健康な社会の発展に貢献していきたいと考えています。
- ●授業の展開
本専攻では、「実践基礎科目群」として、主に教育学、心理学、スポーツ科学の分野で用いられる基本的な技法・スキルをつけるための「実践スキルゼミナール」(生理学実習、発達検査と事例研究など)をはじめとする科目を提供します。今年度は、人間行動科学における実験研究を実施する際の基本的な概念について学ぶとともに、実験システムの構成法、対象の定量化・資料の数量化といった実験法の基礎的な手法を取得することを目的とする「実践スキルゼミナール」を開設しています。来年度以降は、教育学、心理学、スポーツ科学分野による複数の実践基礎科目を開設していきます。これらの科目を受講することで、ヒト、人間、人間同士の関わり、人間と社会の関わりについての多角的な分析法、評価法についてのスキルを修得することができます。
また来年度以降は、「実践応用科目群」として、実践基礎で培ったスキルを現場で応用するために、より高度な「実習」やフィールドワークを取り入れた「演習」を開設します。これらの科目を受講することで、自主的企画推進(マネジメント)能力およびコミュニケーション能力が向上します。
新設科目の展開により、従来の本専攻における博士前期課程のカリキュラムを充実させることができ、今後さらに現場での実践に向けて有用な科目を加えていくことで一層発展させる予定です。
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